お中元マナー総まとめ!意外と知らない意味や時期

2023年5月24日(水)更新
お中元マナー総まとめ!意外と知らない意味や時期

お中元の意味やルーツをご存知ですか?毎年なんとなく贈られている方も多いのではないでしょうか。今回は、意味やルーツをはじめ、お歳暮との違い、贈る時期、かけ紙の書き方など、お中元に関する基礎知識や大切なマナーを解説。
お中元を渡すイメージ画像

そもそもお中元の意味と目的とは?

お中元とは、夏の時期、日頃お世話になっている方に対して、感謝の気持ちや健康を願う気持ちを込めて贈るものです。7月~8月の贈りものであるため、「夏のご挨拶」とも呼ばれています。
ルーツは中国古来の道教と日本のお盆
お中元のルーツは中国古来の道教にあると言われています。1月15日、7月15日、10月15日を「三元」として祝う習慣があり、7月15日を「中元」として半年の無事を祝い、祖先の供養をしました。

日本の仏教では、同じく夏の時期に、送り火や迎え火などで祖先の霊を家に迎えて供養する「盂蘭盆(うらぼん/=お盆)」という行事があります。この二つの文化が次第に相まって、親類や知人と訪問しあいまた、集まって久しぶりの無事を確め合い、その際お互いに贈答をするようになり、この時期に、「お世話になっている人や目上の人に、感謝の気持ちを込めて贈りものをする」という今日のお中元の文化が成り立ちました。
お中元とお歳暮の違いとは?
お中元と並んで、贈りものの習慣として定着しているのが「お歳暮」です。2つの違いを、意味や目的、贈る時期から見てみましょう。
お中元とお歳暮は「半年」と「1年」の違い

【お中元】
意味・目的:日頃お世話になっている人へ向けて、半年の感謝の気持ち、続く半年の健康を願う気持ちを表す
時期:7月~8月初旬

【お歳暮】
意味・目的:日頃お世話になっている人へ向けて、1年を締めくくる感謝の気持ちと翌年への挨拶を込める
時期:12月1日~12月20日頃
お中元とお歳暮は両方贈るべき?
お中元とお歳暮は、両方贈らなければ失礼というわけではありません。しかし、上半期の挨拶であるお中元に比べ、年の終わりの挨拶であるお歳暮の重要度が高いためお中元を贈った相手には、お歳暮も贈る方がいいでしょう。

贈るのはいつ?意外と知らないお中元を贈る時期

「夏のご挨拶」と呼ばれるお中元は、お盆との結びつきが強く、7月初旬~8月初旬に贈るのが基本です。しかし、地域によって、贈る時期が微妙に異なります。贈り先の場所に応じて、適切な時期に贈ることも大切なマナーと心遣いです。
贈る時期は地域によって異なる
関東・東北では、基本的に7月前半ですが、近年、6月下旬に贈る人も増えています。北海道・東海・関西・中国・四国は、主に7月中旬~8月前半。九州地方では主に8月前半など、大きく分けて紹介しましたが地域によって送る時期は異なりますので、相手が住んでいる場所の適切な時期が不明な場合は、事前に確認しておきましょう。

今さら聞けない!お中元マナーのQ&A

感謝の気持ちを伝えるのですから、お中元を贈る際には、失礼がないようにしたいもの。ここでは、よくある疑問に答える形で、お中元に関するマナーを解説します!

Q.1 そもそもお中元って誰に贈るべき?
普段からお世話になっている方や目上の人、普段は会えなくとも、感謝の気持ちを伝えたい人に贈りましょう。一般的によく見られる贈り先は下記の通りです。お相手を選ぶ際に参考にしてみてください。
  • 両親
  • 親戚
  • 上司
  • 仲人
  • 友人
  • 恩師
  • お稽古ごとの先生
\知っていましたか?/
お中元を贈ってはいけない人もいる

お中元は誰に贈ってもいい、というわけではありません。中にはお中元を贈ってはいけない(受け取れない)人もいます。政治家や公務員(公立学校の先生、役所の職員など)に対しての贈り物は、当人同士の関係性は問わず、「収賄」と捉えられてしまう場合もあるので、控えましょう。

また、会社の上司や先輩に関しても注意が必要です。最近では、社内でお中元・お歳暮などを含む贈り物を禁止している会社もあるので、お中元を検討する際は、事前に会社のルール等を確認しておきましょう。
Q.2 お中元の金額はどのくらいが妥当?
お中元の一般的な価格相場は3,000~5,000円といったところです。贈り相手との関係性やお付き合いの長さによって、差が出ます。あまりに華美な金額の品だと、贈られる側にも気持ちの面で負担が生じます。

毎年継続的に贈る予定であれば、気を張りすぎず、適度な価格に保つのがよいでしょう。前年よりも低い金額の品を贈るのは失礼にあたるので、贈った品や金額などは覚えておく、メモを取っておくという管理も大切です。
Q.3 お中元の水引やのし、表書きはどうするの?
お中元に用いるかけ紙
▲お中元に用いるかけ紙
水引の種類
水引とは贈り物にかける帯紐のことを指します。お中元のように一度きりではなく繰り返し贈るものついては、紅白で結びなおせる花結び(蝶結び)のものを選びます。

名入れ
個人で送る場合は、自身の苗字。連名の場合は(3名まで)、右側から目上になるように並べます。代表者のみの場合は、中央に代表者名を、その左下に「他一同」と添えます。会社名を書く場合、中央に書いた氏名の右側に小さく記しましょう。
Q.4 お中元の品にふさわしくないものとは?
悪い意味を連想させるものは注意しましょう。例えば、靴やマットやスリッパは「踏みつける」、刃物やハンカチは「縁が切れる」という意味合いに捉えられかねません。こうしたタブーを避けることと同時に、普段のコミュニケーションから、贈り先の相手の好みや苦手なものを把握しておくのがおすすめです。
Q.5 喪中の人にお中元を贈ってはいけない?
お中元はあくまで感謝を伝える品であるため、贈るのも受け取るのも、基本的には問題ありませんが、贈る場合には贈る時期に配慮しましょう。
また、贈る時期に関しては、四十九日が過ぎてから、もしくはお中元の時期をずらして、「残暑見舞い」として贈るという選択肢もあります。

マナーを意識しつつ、気持ちもたっぷり込めたお中元を

お中元について、意味やルーツをはじめとする基礎知識を簡単に解説しました。深く知ることでお中元へのイメージが変わることでしょう!これまでお中元を贈ったことのない方も、ぜひ今回からご検討ください。古くからあるこの習慣にふれることで、これまでと違った夏が過ごせるはず。