【連載コラム】寺坂直毅の小田急百貨店ジャーニー

  • 【連載コラム】デパート愛好家・放送作家 寺坂直毅の小田急百貨店ジャーニー
6月1日に創業61周年を迎え、この秋には本館からハルクへお引っ越しをする小田急百貨店新宿店。大きな変化のなか、今回は数々の人気番組を手がけ、デパート愛好家でもある放送作家 寺坂直毅さんの小田急百貨店コラム全15回を連載。
小田急百貨店の意外な発見や懐かしいエピソードが満載ですよ。
寺坂直毅 (てらさか・なおき)
放送作家。1980年。宮崎生まれ。
「星野源のオールナイトニッポン」「松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」(ニッポン放送)、「うたコン」(NHK総合)などの構成を担当。
デパートの知識も豊富で、著書に「胸騒ぎのデパート」(東京書籍)がある。
寺坂直毅氏

第13回
接客体験記

2022年8月17日(水)
「デパート」が「ネット通販」と違うところ。
お店に行くか行かないか、商品を直に見られるか見られないか。いろいろありますが、一番は「商品知識があるプロが売っている」という事だと思っています。
靴下を選んでいると、生地について説明してくれる。
鞄を選んでいると、そのブランドの歴史を教えてくれる。
それがデパートの良さです。
デパートには、それぞれの売場に、商品知識に長けているプロがいます。
今回は、小田急百貨店新宿店にいるプロのもとを訪ねました。
まずは、新宿店本階3階の傘売場
ここに傘のプロ「アンブレラ・マスター」さんがいらっしゃいます。
何百種類もあるであろう、たくさんの傘から、自分が求めているものを的確にアドバイスしてくれます。
アンブレラ・マスター
その生地から構造も説明してくれます。傘の部位の名称もすべてご存じです。
先端の「石突(いしづき)」は有名かもしれません。持つ部分は「手元」。たくさんある骨(親骨)の先は「露先(つゆさき)」というそうです。
アンブレラ・マスターさんの解説を聞く
今年の夏は猛暑。そんな時に役に立つ(命を守る)のが日傘です。
今年は、開け閉めがしやすいショート(短め)の日傘が人気なのだとか。男性用の日傘も売れているようです。
アンブレラ・マスターさんは、日傘を説明する時、天井のLED照明に向かって傘を開きます。
傘を開いて説明するアンブレラ・マスターさん
そうすると、日差しを遮る効果がよくわかります。
日傘を売るときならではの接客です。
続いては新宿店本館7階の紳士靴売場
「シューフィッター」さんのもとを訪ねました。様々な企業、オフィスが並ぶ新宿西口。紳士の革靴は、おしゃれとしてはもちろん、働く人にとっても大切な命です。
シューフィッターさんの解説を聞く
シューフィッターさんは、紳士用の革靴のプロとして店頭に立たれています。
アンブレラ・マスターさんの解説を聞く
資格を取るとき、なんと50人分の足型を計測して、提出しなければならないのだとか。
今では職業病で、歩き方を見ていると、その人の靴と足が合っているか気になるようになったのだそうです。
きちんと計測して、自分に合う靴を見つけてくれます。
足と健康は密接しているものだそうで、足に合わない靴を履くと、自分の体に悪く影響するのだそうです。
シューフィッターさん曰く「自分に合う靴を見つけるという事は、自分の事を知る事。足は大事に。」と仰っていました。
シューフィッターさんの解説を聞きながら靴を選ぶ
こうやって、会話をしながらお気に入りの商品を見つける、自分の事を知ることができるのがデパートの良いところです。
ぜひ自分に合う一品を見つけて下さい。そして、デパートで自分を知りましょう。
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