【連載コラム】寺坂直毅の小田急百貨店ジャーニー

  • 【連載コラム】デパート愛好家・放送作家 寺坂直毅の小田急百貨店ジャーニー
6月1日に創業61周年を迎え、この秋には本館からハルクへお引っ越しをする小田急百貨店新宿店。大きな変化のなか、今回は数々の人気番組を手がけ、デパート愛好家でもある放送作家 寺坂直毅さんの小田急百貨店コラム全15回を連載。
小田急百貨店の意外な発見や懐かしいエピソードが満載ですよ。
寺坂直毅 (てらさか・なおき)
放送作家。1980年。宮崎生まれ。
「星野源のオールナイトニッポン」「松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」(ニッポン放送)、「うたコン」(NHK総合)などの構成を担当。
デパートの知識も豊富で、著書に「胸騒ぎのデパート」(東京書籍)がある。
寺坂直毅氏

第1回
私とデパートの出会い

2022年5月25日(水)
皆さん、はじめまして。小田急百貨店新宿店のホームページにて、コラムを連載させていただきます、寺坂直毅と申します。
宮崎県で生まれまして、現在は都内在住です。「放送作家」という仕事をしています。テレビやラジオの台本を書くお仕事です。そんな私が、なぜこちらのサイトで、小田急百貨店に関する連載をさせていただく事になったのか。
皆さんは、「デパート」「百貨店」という言葉を耳で聞くと、どんな事を想像しますか?
  • モノを買う場所
  • お惣菜を買う場所
  • 北海道のグルメが集まる場所
  • 時間を潰す場所
  • プレゼントを買う場所
色んな「買う」を連想する方が多いと思うのですが、私にとっては、「買う」だけではなく「見る」「楽しむ」「感じる」場所なのです。
幼稚園や小学生の頃って、公園で体を動かして遊ぶのが普通だと思うのですが、私は近所にあったデパートが遊び場でした。1階の正面玄関から入り、革製品と化粧品が混じったような香りを嗅いで、エスカレーターで上の階まであがり、エレベーターで下るというルーティンでした。
やがて、日本各地のデパートを知りたいと思い、日本全国津々浦々、250店以上のデパートを訪ね、歩きました。デパートは買い物をする場所、という事だけでなく、地方特色の商品を見て、文化を楽しんで、個性を感じる、夢がある場所だと思っているのです。
呉服店が発祥だったり、駅の上にあったり、バスターミナルが併設されていたり、地下に行列のできるB級グルメがあったり、屋上にレトロな遊園地があったり、昭和を感じるファミリーレストランがあったり…。ただ物を買う場所ではなく、デパートは、その街を映す鏡なのです。
「胸騒ぎのデパート」書影
私のデパート愛がぎゅっと詰まった1冊です。
デパート好きが高じて、東京書籍から「胸騒ぎのデパート」という、日本全国のデパートのガイドブックを執筆した事がありました。
そんな私が仰天したのが、昨年7月の「小田急百貨店新宿店本館の営業を2022年秋に終了し、隣接するハルクへ移転。本館の跡地に48階建ての高層ビルを29年竣工する予定」というニュースです。
本館から、ハルクへ移転。これからの新・小田急百貨店がどうなるかという期待と共に、今の本館のビルはなくなってしまうという驚き。九州生まれの私には、本館に様々な思い出がしみついているのです。その思い、そして、これからハルクへつながる未来、デパートの魅力などを、「小田急百貨店ジャーニー」というタイトルで、デパートの中を旅するような気持ちで、綴っていきたいと思います。
寺坂氏のInstagram投稿画面
本館での営業終了を知った時は衝撃が走りました。
@aiamu_terasaka 2021年7月24日インスタグラム投稿より〉
私が小田急百貨店と出会ったのは、今から27年前の事。どんな衝撃的な出逢いだったのか、それは次の回に!
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