町田店開店50周年記念連載コラム

  • 町田店開店50周年記念連載コラム~これまでの歩みと未来を紡ぐ~
小田急百貨店 町田店は2026年9月23日に開店50周年を迎えます。開店から半世紀、地域の皆さまに支えられながら、日々の暮らしのそばにある百貨店として歩んできた「これまで」と、次の時代へとつながる「これから」を、全7回の連載でお届けします。

第四回 呉服売場から見つめた 小田急百貨店 町田店の50年

今回は1976年小田急百貨店 町田店開店時から呉服売場の立ち上げに携わり、その後長きにわたり呉服売場を担当されたのち、2019年から小田急百貨店 町田店<東京ますいわ屋>に勤務されているSさんにお話を伺いました。
小田急百貨店 町田店<東京ますいわ屋>に勤務されているSさん

 小田急百貨店 町田店開店の様子

小田急百貨店 町田店の開店は、「新宿の小田急百貨店が町田に来る」という期待感に包まれ、街全体が高揚していたことを今でも鮮明に覚えています。
当時は、開店の約3カ月前から「この百貨店で買い物をするために」と貯金をされていたお客さまもいらっしゃったと聞き、その期待の大きさに驚かされました。市内の大きな団地にチラシを配布すると「どのような品々が並ぶのか」といったお問い合わせのお電話も数多くいただきました。
Sさんがお持ちの開店当時の呉服売場の写真
Sさんがお持ちの開店当時の呉服売場の写真
開店当日は、前夜から並ばれるお客さまもいらっしゃり、最終的には約20万人もの方にご来店いただき大盛況となりました。「お客さまの期待に応えたい」「夢のあるお品物をお届けしたい」その思いから、高級品も数多く取りそろえていたのが当時の売場です。
ガラスのショーウィンドウに着物を美しく飾るなど、今ではあまり見かけないような高級感を前面に出した売場づくりも行っていました。また都市型百貨店で扱われるような有名な品々も積極的に仕入れ、特に「縁起が良い」とされる振袖はよく売れていたことが印象に残っています。
テレビで活躍されるタレントの方のご来店やパレードなどもあり、街全体が華やぎに包まれた一日でした。新店舗の立ち上げに携われたことは、今振り返っても貴重な経験です。
1976年当時のSさん
1976年当時のSさん
開店当日の様子
開店当日の様子

お客さまと百貨店の変化

時代とともに、日常的に着物を着る機会は減り、着物に対する価値観も大きく変化しました。
着物を着る機会は少なくなりましたが、茶道や弓道、舞踊などの習い事、お能や歌舞伎などの観劇においては、今も着物は欠かせない存在です。利用される年齢層も幅広く、若い方にも親しまれています。よく好まれる色柄については、この50年で大きな変化はほとんどなく、赤・桃色・紺色といった定番の色は変わらず人気です。
開店当時の思い出を、にこやかに話してくださいました。
開店当時の思い出を、にこやかに話してくださいました。
日頃から「日常に寄り添う着物」を提案することも大切にしています。同時に、「いつかこんな着物を着てみたい」と思っていただけるような夢を届けることも使命だと考えています。一足早く季節を感じていただける売場づくりを通して、四季の移ろいや装う楽しさをお客さまにお伝えすることは、変わらない百貨店の役割だと思っています。
四季を感じる呉服売場
四季を感じる呉服売場

和装を大切にしてきた想い

私は常に、お客さまお一人おひとりに合わせたご提案を大切にしてきました。観劇なのか、格式ある場なのか。その方がどのような場面で着物をお召しになるのかを理解し、本当に必要としているものを見極めることを重視しています。
一律に提案するのではなく、その方の気持ちに寄り添うこと。それが呉服販売の本質だと感じています。
日常に取り入れやすい和装小物も充実
日常に取り入れやすい和装小物も充実
実は入社当時はインテリア売場を希望していました。そのため呉服売場を担当することになってからは、他店を見学しながら品揃えや見せ方、提案方法を徹底的に学びました。新聞折込や広告で着物フェアを見つけては足を運び、現場から学ぶことも多くありました。
いつか着たいが見つかる売場
いつか着たいが見つかる売場

忘れられないエピソード

お客さまとの関係で何より大切にしてきたのは「信頼関係」です。
印象に残っている出来事があります。「少しでもお役に立てれば」という思いで、あるお客さまへ電話機のそばに置くメモ帳や、当時取り扱っていた犬のエサなどをお届けしていたことがありました。そのお客さまは元々別のお店で着物を購入されていましたが、やがて私から着物をお選びいただくようになりました。特別な意図があったわけではありませんでしたので着物をご購入いただいたときは本当に驚きました。
印象に残っているお客さまとのエピソードを語るSさん
印象に残っているお客さまとのエピソードを語るSさん
また、開店当時に七五三のお着物をご購入してくださったお客さまが、今でもご来店してくださることがあります。長い年月を超えてご縁が続いていることに、この仕事の尊さを感じます。
お祝いの日にふさわしい華やかな着物
お祝いの日にふさわしい華やかな着物

着物文化への想い

きれいなものを見て、きれいなものを届け、その仕事で生きていける、この仕事は私にとって天職だと感じています。近年は海外からの注目も高まる一方で、日本人にとっては「着るのが大変」「機会がない」と距離を感じられがちです。だからこそ、もっと自由に、もっと気軽に楽しめる提案が必要だと思っています。
装いに華やぎを添える、小物選びも和装の楽しみのひとつ
装いに華やぎを添える、小物選びも和装の楽しみのひとつ
例えば浴衣に靴を合わせてもいい。まずは遊びの延長として楽しんでもらい、そこから自然に着物文化に触れていただければ十分です。門戸を広げることで、また興味を持つきっかけが生まれると信じています。
着物は決して簡単なものではありません。手間も時間もかかります。それでも「着たい」と思わせる魅力が確かにある。着物を着た人に自然と目を奪われるのは、日本の文化が持つ力そのものだと思います。
「着物を見るだけで心が躍る」そんな感覚を届け続けることこそ、百貨店の役割であり、本来の姿なのではないでしょうか。
「和装の魅力を届け続けたい」
「和装の魅力を届け続けたい」
第5回は特別編!小田急の子育て応援マスコットキャラクター“もころん”の特集をお届けします。
7月29日(水)公開予定。
この記事を書いた人 らぶふぁみ
らぶふぁみ事務局
町田に住む、幼児〜高校生までの子育て真っ最中のママたちです。
町田の子育てライフがもっと便利に、楽しくなりますように!
そんな想いから町田の子育てフリーマガジン『らぶ♡ふぁみ』の発行・町田の子育て情報webサイト『らぶ♡ふぁみ web』の運営をしています。

前へ
\町田店開店50周年特集はコチラ/
好きを叶えるマイストア 50th ANNIVERSARY 小田急百貨店 町田店