町田店開店50周年記念連載コラム

  • 町田店開店50周年記念連載コラム~これまでの歩みと未来を紡ぐ~
小田急百貨店 町田店は2026年9月23日に開店50周年を迎えます。開店から半世紀、地域の皆さまに支えられながら、日々の暮らしのそばにある百貨店として歩んできた「これまで」と、次の時代へとつながる「これから」を、全7回の連載でお届けします。

第三回 長年見続けた食品売場と食への想い

旬の野菜・果物を中心に、日本各地から選び抜いた青果を扱う専門店<九州屋>。定番から珍しい食材まで幅広く取りそろえられています。
今回は、小田急百貨店 町田店<九州屋>に35年間勤務されている、Tさんにお話を伺いました。
<九州屋>に35年間勤務されているTさん

変わりゆく売場と、変わらない価値

1990年の入社当時、最も印象に残っているのは売場の物量の多さです。とにかくボリュームを持たせ、豪華に見せることが重視されていました。季節によってはバックヤードに大量の白菜が積まれ、「これを今から全部パッキングするのか」と圧倒されたこともあります。その光景は夢に出てくるほどで、当時の売場の圧倒的な物量を象徴する出来事でした。
1997年の売場の様子
1997年の売場の様子
入社当時と比べ、売場もお客さまのニーズも大きく変化しました。現在の売場は種類を多く、様々な容量の品を用意しています。トマトひとつをとっても種類が増え、ミールキットなど時代に合わせた品々も増えてきました。こうした変化は、内容だけでなく売場の見せ方にも表れています。
さまざまな品種が並ぶトマト売場
さまざまな品種が並ぶトマト売場

日々のこだわりと売場づくり

仕事が終われば一人の主婦として売場を見つめ、その視点を仕事にも活かしています。伸び悩んでいる品は見せ方を変えるなど、日々試行錯誤を重ねています。かつては量の多さが重視されていましたが、今は断面や中身が分かる工夫も大切にしています。
断面や中身がよく分かる品々
断面や中身がよく分かる品々
品出しの準備をしていると、「今日はこのかぼちゃは美味しそうだな」と感じる日があります。そういう日は不思議とそのかぼちゃをよくご購入いただけるものです。実際に仕事終わりに自身で購入してみると、本当に美味しく、野菜の状態を肌で感じることの大切さを実感します。長年勤務する中で培ってきた感覚が、品を見極めるうえで役立っていると感じています。

お客様とのつながりから生まれる喜び

お客さまがレジに並んでいる際、「かぼちゃは小田急百貨店の<九州屋>に限るよね」とお話しされているのを耳にしたときは、心の中で思わず「そうでしょう」と頷き、とてもうれしく思いました。
お客さまの声に喜びを感じながら日々の仕事に励んでいます
お客さまの声に喜びを感じながら日々の仕事に励んでいます。
さらに、他店ではあまり見かけない食材を扱っているのも特徴です。四方竹や実山椒、梅、らっきょうなど、入荷時期になるとお問い合わせをいただくことも多く、この時期は特に忙しくなります。こうしたことからも、小田急百貨店 町田店のお客さまの食への関心の高さを感じており、それに応えられる売場であり続けたいと感じています。

忘れられないエピソード

長く仕事を続ける中で、今も鮮明に心に残っている出来事があります。働き始めて間もない頃、初めて新人パートだけで売場の陳列を任された日のことです。想像以上の物量に追われ、開店時間に間に合わないのではないかという不安から、現場には焦りが広がっていました。そんな時、普段は静かに見守ってくださっている担当社員の方が、「おーい、大丈夫か?」と声をかけ、腕まくりをして手伝ってくれました。

野菜にラップをかける作業は、その方にとって決して慣れたものではなかったと思います。それでも同じ売場の一員として一緒に手を動かしてくださったことで、現場の空気がふっと軽くなり、チームで乗り越えているという安心感が生まれました。
仲間と協力しながら、長年楽しく働いてきた様子がうかがえます
仲間と協力しながら、長年楽しく働いてきた様子がうかがえます。
また、パートの仲間との思い出も、私にとって大切な宝物です。かつて町田店の休業日には、みんなでりんご狩りやバーベキューに出かけたこともありました。奥多摩で焼いた松茸の美味しさに感動したことは、今でも心に残っています。こうした経験を通して、食の楽しさや奥深さを知るとともに、人とのつながりの大切さを学んできました。

35年という年月を続けてこられたのも、周囲の方々の支えがあってこそだと、改めて感じています。

大切にしてきた「食」への想い

初孫の誕生をきっかけに、「口に入るもの」の大切さについて深く考えるようになりました。娘が離乳食にどのようなものを選び与えるべきか悩んでいた姿を見て、その大切さを改めて実感しました。お客さまにとっての「食」の重要性についても、これまで以上に強く意識するようになりました。

また、地域の集まりで「小田急さんで買ってきたよ」とフルーツが差し入れられているのを目にしたとき、この仕事への誇りとやりがいを強く感じます。日々のこうした積み重ねが、仕事を続ける原動力にもなっています。
差し入れなどプレゼントとしても人気のフルーツ
差し入れなどプレゼントとしても人気のフルーツ
もともと好き嫌いの多かった私ですが、この仕事を通して多くの野菜に出会い、葉玉ねぎや根三つ葉など、好きな食材も増えていきました。

こうした経験を経て、食と向き合ってきたからこそ、これからもお客さまに安心していただける、より良い「食」を届け、次の時代へとつないでいきたいと思っています。
『今日のかぼちゃもおいしいと思います!』と教えてくださいました
『今日のかぼちゃもおいしいと思います!』と教えてくださいました。
第4回は町田店開店当初を知る「呉服売場」の販売員さんに、時代の移り変わりや呉服への想いを伺います。
6月24日(水)公開予定。
この記事を書いた人 らぶふぁみ
らぶふぁみ事務局
町田に住む、幼児〜高校生までの子育て真っ最中のママたちです。
町田の子育てライフがもっと便利に、楽しくなりますように!
そんな想いから町田の子育てフリーマガジン『らぶ♡ふぁみ』の発行・町田の子育て情報webサイト『らぶ♡ふぁみ web』の運営をしています。

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