【連載コラム】寺坂直毅の小田急百貨店ジャーニー

  • 【連載コラム】デパート愛好家・放送作家 寺坂直毅の小田急百貨店ジャーニー
6月1日に創業61周年を迎え、この秋には本館からハルクへお引っ越しをする小田急百貨店新宿店。大きな変化のなか、今回は数々の人気番組を手がけ、デパート愛好家でもある放送作家 寺坂直毅さんの小田急百貨店コラム全15回を連載。
小田急百貨店の意外な発見や懐かしいエピソードが満載ですよ。
寺坂直毅 (てらさか・なおき)
放送作家。1980年。宮崎生まれ。
「星野源のオールナイトニッポン」「松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」(ニッポン放送)、「うたコン」(NHK総合)などの構成を担当。
デパートの知識も豊富で、著書に「胸騒ぎのデパート」(東京書籍)がある。
寺坂直毅氏

第7回
店内穴場探訪

2022年7月6日(水)
デパートは「買い物をする場所」だけではなく、「いい暇つぶしをする場所」でもあると思います。
暇つぶしという言い方はよくないか…「いい時間が作れる場所」「のんびりできる時間」とでもいおうか…。そういう意味の「暇つぶし」です。
乗りたい電車まで30分もある。じーっとホームで待つより、デパートを巡る方が楽しいし、いろんな知識を得られるはずです。
私が小田急百貨店で暇つぶしで訪れるのは、以前もご紹介した、12階マンハッタンヒルズの新宿西口を見渡せる場所です。
ここは、高い場所だからわかる発見があるのです。
坂倉準三氏が設計した西口広場を上から見るのはかなりレア
道が「W」の形をしているのですが、「W」の真ん中の先の部分に、小さな滝があるのを見つける事が出来るのです。まさか都心のど真ん中、小田急百貨店の窓から滝が見えるとは!
12階マンハッタンヒルズからの景色
この見事な景色が見られるのもあと少し。今のうちにぜひ見てみて下さい。
小さな滝
この滝、「水と緑と光の広場」というテーマで、自然の水の流れを表現したのだそうです。
一瞬どこにあるのかわかりませんので、ぜひみなさんも探してみて下さい。
目の体操になると思います。
更に、紹介したい「いい暇つぶし」の穴場は10階
背中を向いている、受話器を持った女性の銅像です。
女性の銅像
なぜ顔ではなく、背中を向いているのか…。
いろんな妄想が膨らみますね。
もしかしたらこの女性の背中、想い出がある方がいらっしゃるかもしれません。
この銅像は「約束の像」といい、もともとは1階の大階段の下にあったのです。
大階段下に設置された銅像
開店15周年を記念して設置されました。
この女性、1階から10階へ移動しました。
メガネ売場の近くにいるので探してみて下さい。
背中越しには意味があります
よく見ると…鏡に映っているではありませんか。鏡の中で出会える銅像なのです。
彫刻家の朝倉響子さんの作品「約束の像」 。
台の上に置かず、直に置かれているのが特徴だそうで、「街に集う人」をイメージし、等身大で同じ目線、生活の一部にこの像が溶け込むように作られたのだそうです。
この美しい背中を見に、ぜひ10階に訪れてみて下さい。
この女性が1階から10階まで、階段を自分で歩いて移動したのか、エレベーターで移動したのか…。それは誰にもわかりません。
以前ご紹介した「アンモナイト」も、いい時間の潰し方になると思います。
夏、外は熱中症で大変かと思いますので、涼しいデパートで過ごしましょうね。
当連載コラムのパネル
12階にこの連載コラムのパネルもあるので、暇つぶしに見てみてください(笑)
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