【連載コラム】寺坂直毅の小田急百貨店ジャーニー

  • 【連載コラム】デパート愛好家・放送作家 寺坂直毅の小田急百貨店ジャーニー
6月1日に創業61周年を迎え、この秋には本館からハルクへお引っ越しをする小田急百貨店新宿店。大きな変化のなか、今回は数々の人気番組を手がけ、デパート愛好家でもある放送作家 寺坂直毅さんの小田急百貨店コラム全15回を連載。
小田急百貨店の意外な発見や懐かしいエピソードが満載ですよ。
寺坂直毅 (てらさか・なおき)
放送作家。1980年。宮崎生まれ。
「星野源のオールナイトニッポン」「松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」(ニッポン放送)、「うたコン」(NHK総合)などの構成を担当。
デパートの知識も豊富で、著書に「胸騒ぎのデパート」(東京書籍)がある。
寺坂直毅氏

第14回
ベテラン社員の仕事の流儀

2022年8月24日(水)
前回のコラムで、デパートは人が創るものである事をお伝えしました。小田急百貨店には調べれば調べるほど、デパートに情熱を傾けた人がいるのです。
今回はベテランさんたちのお話です。
まずは名物バイヤーさん。1975年入社。
小田急の歴史を見続けてきた方です。長らく物産展の名物バイヤーとして、現在はオンラインショッピングのバイヤーとして大活躍中です。
日本中のおいしいものを探し、届けて下さいます。
名物バイヤーさんと似顔絵
出張の際は体重が2キロ増えるのだそうです。現在は、コロナ禍で外出しづらい今でも、全国各地のラーメンを味わう事が出来るサイト「大つけ麺博プレゼンツ おうちdeラーメンフェスティバル」に情熱を注がれています。
このサイト、見ているだけで楽しい。
有名ラーメン店のコラボ商品や、ここでしか買えないオンライン販売限定品もあります。有名店で提供するスープと麺、具材をそのまま冷凍した状態で出荷。
本格的なラーメンを家庭で楽しめるそうです。全国のラーメンを知りつくしている名物バイヤーさんならではのセレクトです。
続いてお会いしたのは、店舗のデザインを担当する建物のプロ
店舗デザイン担当の方のお話を聞く
都会的でおしゃれな売場を作るお仕事です。
これまでこのコラムでご紹介した、小田急店内の内装デザインや内装監理をされてきました。どれも素敵な売場ばかり。
建物のプロが一番好きな場所は施設担当者のみぞ知る15階
本館で一番高い場所で、素晴らしい景色が見られる場所なんだそうです。一般の人は立ち入る事が出来ないスペースです。残念。
そして、13階のガラスブロックを使用した広々とした空間も好きな場所だと答えてくださいました。皆さんも一度訪れてみて下さい。
13階のガラスブロック
小田急百貨店のデザインについてなんでも答えてくださる建物のプロに、ずっと聞きたかった事がありました。
店舗デザイン担当の方に質問をする
5台並ぶ中央エレベーター。インジケーター(乗場位置表示器)が、13階だけないのです。
すると「13という数字を気にせず、楽しい気分のままお帰りいただけるように!ということだと思います」と回答してくださいました!なるほど!納得です。
ようやく謎が解けました!

その他フロアのインジケーター
13階以外のインジケーター
13階のインジケーター
13階のインジケーター
最後にお話ししたのはファッション&ビューティー分野のスペシャリストさん
現在化粧品売場に勤務していらっしゃいます。
ファッション&ビューティー分野のスペシャリストさんのお話を聞く
小田急百貨店では、以前、「スタイリングコーディネートサービス」という、お客さまと一緒に売場をまわり全身をコーディネート、スタイリングするサービスがあったそうです。
「婚活したい」「結婚式に来ていく服を選んで欲しい」そんなお客さまの依頼にこたえ、一緒に売場を回り、コーディネートをされていたそうです。
お客さまの顔がだんだん明るくなっていくのが喜びだったそうです。
実際に婚活成功!など願いが叶ったお客さまもいたようで、「人生をも変える仕事で、誇りをもって取り組んでいました」と答えて下さいました。
化粧品売場
今は化粧品売場でお客さまの人生を日々ハッピーにする売場づくりに努めています。
従業員の皆さんがそれぞれ、お客さまといろいろな深い絆で結ばれているのでしょう。
従業員の皆さんの話を聞くと、やはり、デパートは人が創っているのだと実感するのです。
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